台風2015(1月~8月)memo2015/08/29 13:00

2015年は1月から毎月台風が発生しました。このように台風が毎月発生したのは1965年以来のことで実に半世紀ぶりです。しかし、50年前とは明らかに違う点がいくつもあり、地球上の気候変動を感じ取ることができます。

50年前と比較して特筆すべき点は台風寿命(発生してから低気圧になるまでの期間)が長くなったことです。これは地球温暖化により海面水温が上昇したことに伴い、台風が勢力を衰えることなく発達し続けたことを表しています。

台風寿命が7日以上のもので比較してみるとその差が顕著になっています。台風寿命が長くなったことで、台風が消滅する前に次の台風が発生し、ダブル台風、トリプル台風といった今まででは珍しい天気図がいくつも現れました。

台風の勢力が940hpより強く発達した件数も半世紀前とは比べものにならないほど多くなってきており、台風接近による災害件数も年々増加傾向をたどっています。昔のように9月が台風シーズンという概念はなくなりました。

海洋生物の生態系にも変化が起きており、海水浴シーズンに各地でサメが出没して遊泳禁止を余儀なくされた海水浴場が続出しました。サメだけでなく回遊する魚にも変化が起きているあろうから、食卓への影響も否定できません。

 
 
台風発生リスト2015

台風発生リスト1965
 
今年の1月には、ダブル低気圧、トリプル低気圧に寒波が合わさって台風なみに発達し、北日本の多くの地域では風雪による被害が出ました。北日本では夏季にも台風の日本海通過に伴い大雨となりました。

補足:『ふたつ玉低気圧』とは、ふたつの低気圧が日本海側と日本の南岸に発生し、東へ進むにつれて低気圧がひとつにまとまり勢力を強め、爆弾低気圧となるものもあり、低気圧が抜けた後は西高東低の冬型の気圧配置となります。

2015.01.06

2015.01.22

日本海に進路をとった台風12号(今季初の越境台風)
 
以下は今年のW台風等の記録(天気図、気象衛星、台風進路)です。1月から4月は海面水温の影響で台風が北上することはほとんど無く、太平洋上で発生した台風は西方(フィリピン方面)へ進んでいき消滅します。

7月、8月の夏休みシーズンは世界一海が綺麗な沖縄にでも遊びに行きたい気分ですが、台風の進路上に位置しているため、飛行機やフェリーが相次いで欠航するなど、台風通過に伴う交通機関への影響は避けられません。

2015.05.10 台風6号+7号
 
 
 
2015.07.07 台風9号+10号+11号
 
 
 
2015.07.15 台風11号+12号
 
 
 
2015.08.07 台風13号+14号
 
 
 
2015.08.20 台風15号+16号
 
 
 
海面水温の変化(7月、8月)
 
 

エルニーニョ現象とは‥太平洋東部の赤道付近、ペルーとエクアドルの沖合から西へ太平洋のほぼ中心部まで数千キロメートルに及ぶ海域において、海面の水温が局所的に異常上昇する現象で、日本における天候の特徴としては、エルニーニョ現象時の夏は低温となる傾向、冬には高温となる傾向が見られます。

今年はエルニーニョ現象の定義に反して夏季の前半は冷夏にはならず猛暑日が続き熱中症による死者が多く出ましたが、台風15号通過後の8月下旬になって日照時間が50%以下となり気温も10月並になるなど冷夏となりました。


            台風2015(1月~8月)