スーパーエルニーニョと越境台風2015/09/04 22:00

9月になって初めての台風は、180度経線以東で発生したハリケーンが越境してきて台風17号となった『越境台風』と呼ばれるもので、今年は台風12号に続き今年2回目です。

9月1日の時点で、太平洋上には一つの台風と三つのハリケーンが発生しておりハリケーンの進路にあるハワイ諸島では大きな災害に対しての警戒が必要な状態になっているようです。

このように多くのハリケーンが発生する一因には海面水温の上昇があり、今までにないスパーエルニーニョ現象を発生させる要因ともなっており、これに伴う気候変動が注目されています。

8月14日AFP通信によると、米気象当局は8月13日に今年始まったエルニーニョ(El Nino)現象が、ここ65年で最強レベルになる可能性があるとの予測を発表しました。

エルニーニョ現象は、赤道太平洋の海面温度が上昇すると起きる現象で、世界各地に豪雨や干ばつをもたらすもので、今年のエルニーニョ現象は3月に始まり約1年続く見込みとされています。 

米海洋大気局( NOAA)気象予報センター副部長は8月13日、この傾向は依然として続く見通しだと発表し「今年のエルニーニョ現象は1950年以降で最強水準になる見込み」と述べました。

以下Bloomberg9月3日(木)3時44分配信分の記事を引用

赤道太平洋で強いエルニーニョ現象が発生し、世界の天候に影響を及ぼす可能性が高まっている。オーストラリア気象庁が1日発表した最新リポートによれば、今回のエルニーニョは1997-98年以来で最も強い。97-98年のエルニーニョは50年に調査を開始して以来で最強だった。

赤道太平洋の水温と気温が上昇することで知られるエルニーニョ現象は、南米に集中豪雨をもたらすほか、東南アジアで干ばつを招き、ハリケーンシーズンの大西洋で強烈な暴風を引き起こす。エルニーニョ現象は12-1月がピークとなるため、この時期に影響が集中する。

コモディティ・ウェザー・グループ のマット・ロジャーズ社長は「巨大エルニーニョ現象はこの先、大きな影響をもたらすだろう」と述べた。米国を襲う冬の嵐はエルニーニョによって抑制される可能性がある。また干ばつの激しいカリフォルニア州には雨や雪をもたらす可能性がある。

太平洋:旬平均海面水温(8月下旬の海面水温)

太平洋:旬平均海面水温(8月下旬の平年差)

NASAのGOES-Westは9月1日、太平洋上で同時に4つの大型ハリケーンが勢力を拡大している映像を撮影することに成功した。今回、GOES-Westが撮影した4つのハリケーンは、左からTyphoon Kilo、 Hurricane Ignacio、 Hurricane Jimena、そしてTropical Depression 14Eとなる。この内、最初の3つについては既にカテゴリー4の超大型ハリケーンに成長していることが確認されている。


The Joint Typhoon Warning Center (JTWC) : 2015年9月1日にハリケーンKiloが越境してきて台風17号となり、その進路と今後の進路予想

台風17号の進路予想

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想(9月11日頃接近)

2015.09.04:天気図(日本列島には秋雨前線)

2015.09.04.18:00:気象衛星画像

2015.08.05.18:00:風の流れ(700hp)

2015.09.06.15:00:気象衛星画像(秋雨前線が長く続く)

2015.09.06.15:00:台風17号進路予想

2015.09.06.21:00:台風18号のたまご

2015.09.07.03:00:台風18号発生

2015.09.10.03:00:ブロッキング高気圧で台風はゆっくり北上

2015.09.11.18:00:台風17号はこのあと熱帯低気圧になるが‥

            台風17号+18号につづく